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産業集積情報

盤谷日本人商工会議所の調査によると、タイには少なくとも6,200社以上の日本企業が存在しています。1985年以降、日本からタイへの直接投資額は累計で約2兆バーツ以上(日本国財務省 認可ベース)と、かなりの金額が日本企業によってタイに投資されていることがわかります。タイが外国から受け入れた総投資額全体に占める割合でも、日本からの投資が約4割を占めており、タイにとって日本は最大の投資国です。このように日系企業による投資が多く集積することで、タイでは裾野産業(Supporting Industry)が発展し、充実しています。たとえば資材、部品やコンポーネント等もすでに進出している日系企業サプライヤーから日本と同等の品質のものを調達することができるという点は、新たにタイに進出しようとする日系企業にとって大きなメリットであるといえます。

 もちろんそれに加えて、日本式のものの考え方や仕事のやり方がタイの社会に広く認知され、浸透しているということもポイントです。歴史的に見ると、1985年のプラザ合意以降、豊富な労働力を求めて日本企業によるアジア諸国への投資が活発化しました。その中でも、政情の安定性や労働力人口、コストといったさまざまな要素を各企業が総合的に勘案した結果、タイへの投資は順調に増えてきたものと考えられます。そしてさらに、こうした投資の積み重ねによって作られた産業集積がさらに投資環境を改善させるという、タイはまさに「集積が集積を呼ぶ」好循環の中にあります。

 地域ごとに大きく区分けをすると、バンコクを中心にしてアユタヤ県までの北部に電気・電子産業、バンコクから南東方面チョンブリー県からラヨーン県までの深海港レムチャバン港へのアクセスのよい地域には自動車産業、さらにその先のラヨーン県南端には、マプタプット深海港を中心に石油化学産業が集積しています。

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