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2013年発刊

 「アジア新興国のエネルギーアクセス改善に向けて」

タイトル:「アジア新興国のエネルギーアクセス改善に向けて」
     ―分散型電源・再生可能エネルギーの実態と見通し―
     (バングラデシュ、インド、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム)          
発行・編集元: 日本テピア株式会社 テピア総合研究所
発行日: 2013/5/27
ページ数: 240ページ(A4版)
価格: 75,000円(税・送料込)(印刷版1冊とPDF版セット)

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 当刊行物の概要

「21世紀のための再生可能エネルギー政策ネットワーク」(REN21)によりますと、水力発電以外の再生可能エネルギーが先進国、途上国とも急速な伸びを示しており、2010年には最終エネルギー消費の4.9%を賄いました。REN21によると、新規発電設備に占める水力発電以外の再生可能エネルギーの割合が増えており、2004年当時には10%であったものが11年には37%に上昇しました。この結果、世界全体の再生可能エネルギーを用いた発電設備は2011年末時点で13億6000万kWを超えました。このうち水力発電以外の再生可能エネルギーは3億9000万kWを超え、前年から24%増加しました。

 こうした背景には、再生可能エネルギーを利用した発電機器のコストの急速な低下と、とくに先進国において再生可能エネルギーに対する優遇策が打ち出されたことが重なったことがあります。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によりますと、単結晶太陽電池モジュールの価格は、この2年間で65%以上低下しました。一方で、再生可能エネルギー技術の費用対効果を見ると、コストの範囲はかなり広く、サイトに大きく依存しています。こうしたことからIRENAは、唯一の最良の再生可能エネルギー技術は存在しないと結論づけています。

 IRENAは、現在の化石燃料や在来の発電技術の価格を考慮した場合、再生可能エネルギーを用いた発電技術が最も経済的なオプションになるのは、送電網に接続されていない独立型のシステムか、再生可能エネルギー資源に恵まれた場所における送電網に接続された集中的な電源のどちらかのケースであるとしています。再生可能エネルギーを用いた発電技術は、ディーゼル発電機より大幅にコストが安くなる可能性も指摘されています。とくにインフラが整備されていない遠隔地では、輸送コストのためにディーゼル発電機のコストを最大100%も上昇させてしまうとの試算もあります。

 REN21によると、2012年はじめまでに再生可能エネルギーに関する何らかの目標を定めた国は118ヵ国に達しており、このうちの半分以上は途上国です。こうした途上国のほとんどが電化率の目標を定めています。途上国に限定されませんが、遠隔地の分散化された地域にとって、送電網と接続されていない再生可能エネルギーは、送電網を拡張するよりもコストがかからないことは明らかです。

今回、調査の対象としましたバングラデシュ、インド、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナムの7ヵ国の電化率を見ますと、ほぼ100%に近いタイやベトナムから13%のミャンマーまで、同じアジアといっても大きな開きがあります。電化のスピードが違うとは言え、各国がめざす経済成長のなかで、電力の安定供給を最重要課題の1つとして位置付けている点は共通しています。

今回、調査した7ヵ国のうち、安定的なベースロード電源として世界的に評価が高まっている原子力発電所については、インドが野心的な拡張計画を持っているほか、ベトナムでも建設が決まっています。この2ヵ国を含め、未電化地区の電力供給の確保に加えて、送電網に接続された集中的な電源としての再生可能エネルギーに対する期待の高さは各国に共通していることが浮き彫りになりました。

今回の調査は、アジア全体を網羅するものではありませんが、世界の成長センターとして注目されるアジアの中でもとくに関心が寄せられている7ヵ国が、どのようにエネルギー(電力)アクセスを改善しようとしているのか、とくに再生可能エネルギー技術の利用に焦点をあて見通しを探りました。

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 当刊行物の目次

はじめに
アジア各国の再生可能エネルギーポテンシャル
第Ⅰ部 分散型電源・再生可能エネルギーの世界の現状と見通し
1. 分散型電源・再生可能エネルギーの現状と見通し
1.1分散型電源
(1)分散型電源の特徴
(2)再生可能エネルギー以外の分散型電源技術
1.2再生可能エネルギー
(1)世界の現状
(2)発電部門
(3)暖房・冷房部門
(4)再生可能エネルギー政策
(5)投資の傾向
(6)農村地域の再生可能エネルギー開発
(7)再生可能エネルギー産業の雇用
(8)主な再生可能エネルギーの動向
1.3 BRICS
(1)再生可能エネルギーの発電利用
(2)再生可能エネルギーの熱利用
1.4 ASEAN主要国
(1)再生可能エネルギーの発電利用
(2)再生可能エネルギーの熱利用
2. 再生可能エネルギー発電コスト
2.1 技術ごとに見た発電コスト
2.2 地域別に見た発電コスト
2.3 発電コストの低減見通し
第Ⅱ部 アジア新興国の現状と見通し
1.バングラデシュ
1.1 エネルギー需給
1.1.1 一次エネルギー消費・生産
1.1.2天然ガス
1.1.3 石油
1.1.4電力
1.1.5再生可能エネルギー
1.2 エネルギー政策
1.2.1全体エネルギー政策
1.2.2再生可能エネルギー政策
2.インド
2.1エネルギー需給
2.1.1 一次エネルギー消費・生産
2.1.2 石炭
2.1.3 石油
2.1.4 天然ガス
2.1.5 電力
2.2 エネルギー政策
2.2.1 概要
2.2.2 再生可能エネルギー政策
2.3 分散型電源の動向
2.3.1 風力発電
2.3.2 太陽光発電
2.3.3 バイオマス
2.3.4 小水力発電
3. インドネシア
3.1 エネルギー需給
3.1.1 石油
3.1.2 石炭
3.1.3天然ガス
3.1.4 電力
3.2 エネルギー政策
3.2.1 概要
3.2.2 再生可能エネルギー政策
3.3 分散型電源の動向
3.3.1 風力発電
3.3.2 太陽光発電
3.3.3 バイオマス
3.3.4 水力発電
3.3.5 小規模石炭火力発電
3.3.6 地熱発電
3.3.7 ガスタービン、ディーゼル発電
3.3.8 電力貯蔵技術
4.モンゴル
4.1エネルギー需給
4.1.1エネルギー資源
4.1.2一次エネルギー供給・消費
4.1.3石炭
4.1.4石油・天然ガス
4.1.5ウラン
4.1.6電力・熱
4.2エネルギー政策
4.3再生可能エネルギー利用の動向
4.3.1風力発電
4.3.2太陽エネルギー
4.3.3 水力発電
4.3.4地熱
5.ミャンマー
5.1エネルギー需給
5.1.1概要
5.1.2一次エネルギー消費・供給
5.1.3石油・天然ガス
5.1.4石炭
5.1.5電力
5.2エネルギー政策
5.2.1エネルギー政策の枠組み
5.2.2省エネ政策
5.2.3気候変動政策
5.3分散型電源の動向
5.3.1自然エネルギー発電
5.3.2ディーゼル発電機
6.タイ
6.1エネルギー需給
6.1.1概要
6.1.2一次エネルギー消費・供給
6.1.3石油
6.1.4天然ガス
6.1.5石炭
6.1.6電力
6.2エネルギー政策
6.2.1内閣政策声明
6.2.2タイのエネルギー政策の特徴
6.2.3電力開発計画
6.2.4代替エネルギー開発計画
6.2.5エネルギー効率発展計画
6.2.6 Feed-in Premium政策
6.3分散型電源の動向
6.3.1自然エネルギー発電
6.3.2 ディーゼル発電
7.ベトナム
7.1 エネルギー需給
7.1.1 概要
7.1.2 一次エネルギー消費・供給
7.1.3 石油
7.1.4 天然ガス
7.1.5 石炭
7.1.6 電力
7.2 電源開発計画
7.3 分散型電源
7.4 風力発電
7.4.1 風力発電資源
7.4.2 風力発電プロジェクト
7.5 原子力発電

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