海外ビジネスコンサルティング

 日本の可搬型浄水装置でフィリピンの水問題解決に貢献へ

2015年2月12日

日本テピアは2014年12月25日より開始したフィリピンにおける可搬型オールインワンタイプ浄水装置普及・実証事業 に外部コンサルタントとして参加している。

本事業は、株式会社村上製作所が製造した、MF膜を利用した浄水装置、貯水タンク、発電機、塩素消毒装置、活性炭吸着塔などをすべて内蔵した可搬型オールインワンタイプの浄水装置である「アクア・キューブ」をフィリピン・ネグロス・オクシデンタル州サガイ市に導入し、「アクア・キューブ」の有効性を実証すると共に、フィリピン国内における同製品の普及を図るものである。

本事業の実施場所はサガイ市内の山間部に位置する上水道未普及エリアのColonia DivinaとBavieraの2ヵ所で、以下のような飲料水に係る課題を抱えている。

① 不衛生な水の飲用
都市部と比較して貧困層が多い傾向にあり、安全な飲料水を購入できる住民が少なく、河川や井戸からの不衛生な水を飲用するケースが多く、下痢などに悩まされている。
② 高い飲料水販売価格
運搬費が上乗せされるため、都市部よりも2~2.5倍の価格で販売されており、ほとんどの住民には手が届かない価格である。

本事業では「アクア・キューブ」により身近な水源を利用して安全・低廉な飲料水を提供することで上記課題を解決し、またセミナーの開催などにより住民の安全な水に関する意識向上を図る。

また、2013年11月にフィリピンを襲った大型台風によって同地域も大きな被害を受けており、災害発生時のライフラインの確保が大きな課題として露呈した。特に飲料水の確保は最重要課題の一つであるため、「アクア・キューブ」の可搬性を生かした災害時の飲料水供給システムの構築も本事業で実施する。

本事業は上水道未普及エリアをターゲットとしているが、フィリピンでは上水道普及エリアにおいても、既存の水道管の老朽化などが原因で水道水の水質悪化が問題となっているエリアも多い。こうしたエリアにおいて、「アクア・キューブ」の水道事業への利用や、安全な水の供給が必要な学校や病院での利用など、さまざまは場所での普及可能性が考えられ、フィリピン全体の水問題の解決に大いに貢献し得るものである。

(木内 亮太)

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